「黒留袖」・「色留袖」ってなに?どのような違いがある? 

「黒留袖」・「色留袖」ってなに?どのような違いがある? 

留袖には、「黒留袖」と「色留袖」の2種類があります。どちらも礼装なので、結婚式や披露宴で着る機会のある方も多いでしょう。では、この2種類の留袖はどう違うのでしょうか?

「黒留袖」とは

「黒留袖」は、名前の通り黒地の留袖のことを指します。明治時代に西洋の「黒色=フォーマル」という概念に影響を受けた、という説もあります。裾部分にのみ入っている柄は、鶴や亀、牡丹、雀、扇など、さまざまなバリエーションがあります。
既婚女性の第一礼装とされており、五つ紋が入っていることから、留袖の中で最も格式の高い着物です。

「色留袖」とは

「色留袖」は、黒留袖以外の留袖を指します。黒留袖と同じく、裾部分にのみ柄が入っています。肩や胸などの上半身にも柄が入っている場合、留袖ではなく「訪問着」に分類されます。
色留袖は、紋がないもの、一つ紋、三つ紋、五つ紋に分かれ、紋が増えるほど格式も高くなります。最も格式高い五つ紋の場合、黒留袖と同格になります。

「黒留袖」と「色留袖」の違い

では、黒留袖と色留袖は、具体的にどのように違うのでしょうか?

色の違い

1つ目の違いは、色です。黒留袖は、名前の通り黒地しかありません。そのため、どの色にしようか悩む必要はなく、柄の違いで個性が変わります。
一方、色留袖はカラーバリエーションが豊富。赤色や黄色、水色などから、自分に合った留袖を選ぶことができます。

条件の違い

2つ目の違いは、着ることができる人の条件です。黒留袖は、既婚女性の礼装。そのため、結婚していない方は黒留袖を着用することができません。
一方、色留袖の場合、既婚か未婚かは関係なく着ることができます。もともとは、黒留袖と同じく既婚女性のための礼装でしたが、現在では気にする必要はありません。

紋の違い

3つ目の違いは、紋です。黒留袖の紋は五つ紋だけなので、黒留袖同士を比べたときに、格式の違いはありません。黒留袖であれば、全て最高位礼装です。
一方、色留袖の紋の数はさまざま。五つ紋の場合は、黒留袖と同等の格式という扱いになります。ただ、「紋の数が多いほど良い」というわけではありません。確かに、紋の数が多いほど格式高い礼装ということになります。しかし、その分着用できるシーンの幅が狭くなってしまいます。

着用シーンの違い

4つ目の違いは、着用シーンです。黒留袖は格式が最も高い礼装なので、式典などの主催者側の方に相応しい着物です。その分、カジュアルなシーンには向いていません。具体的には、結婚式の場合なら新郎新婦の両親・仲人が適しています。参加していただいたゲストに対し、感謝を表すという意味もあります。
対して色留袖の場合は、紋の数に応じて着用シーンを選択することができます。紋なしや一つ紋の場合、入学式・卒業式などの場面で着用できますし、三つ紋や五つ紋ならよりフォーマルな場面で着用できます。

違いを踏まえて留袖を選ぼう

着物を着た女性

「黒留袖」と「色留袖」の違いについて、お伝えしました。黒留袖と色留袖では、適するシーンが異なることもあるので、デザインだけで選ばないようにしましょう。それぞれの違いを踏まえて、自分に合った留袖を選んでみてくださいね。
留袖レンタルを行うこちらのネットショップでは、バリエーション豊かな黒留袖や色留袖を取り扱っています。留袖を着る予定がある方や、和装に興味がある方は、どのような留袖があるのか参考にしてみてください。